Sezaki & Nishiyama Laboratory
Institute of Industrial Science / Center for Spatial Information Science in The University of Tokyo
Institute of Industrial Science / Center for Spatial Information Science in The University of Tokyo
移動可能な無線ノード間で自律分散的なネットワークを形成するMANET(Mobile ad-hoc network)では,通信要求に応じて経路を構築するルーティングプロトコルが広く検討されている.しかし,これらのプロトコルでは,経路構築時に制御メッセージをネットワーク全体にフラッディングするため,通信資源を大量に消費する.この問題に対して,移動体通信を用いてMANETを構築するための仮想領域を作成する移動体通信併用形MANETを提案されている.この手法では,仮想領域内に制御メッセージの送信を制限することでネットワーク負荷を低減できるが,多くのノードが近傍に存在するノードが経路に選択されやすいため,ノード間の通信負荷に偏りが生じる.そこで,移動体通信併用形MANETにおいて,各ノードの通信負荷を分散させるための経路構築手法を提案する.
オープンソースのモバイルセンシングフレームワークの開発・運用・サポートをオウル大学(フィンランド共和国)のProf. Denzil Ferreiraのチームと共同で行っています。AWARE Frameworkを使えば、スマートフォンに搭載された任意のセンサからセンサデータ(モーション、位置情報、環境音、スマートフォンのロック状態、電話の回数など)を自動記録し、サーバにも収集も可能です。さらに、ライブラリとして任意のスマートフォンアプリケーションに組み込むこともできます。Experience Sampling Method(ESM)もサポートされており、任意のタイミングでユーザに簡易なアンケートを行うこともできます。AWARE Frameworkは、iOS/Android向けのセンシングフレームワークで、北米・ヨーロッパの研究機関を中心に、これまでに世界中の数多くの研究プロジェクトで利用された実績があります。AWARE Frameworkのソースコードは全てGitHub上で公開されており、自由に利用することができます。
(さらに…)特に過疎化の進む地方においては利用状況にあわせたより柔軟な交通計画が求められている。利用者になるべく不便を強いずかつ合理的な交通計画を立案するためには交通利用の現状を把握することがますます重要になっている。
交通ICカード利用データを用いた交通利用状況把握手法を開発をめざしている。本研究では、改札利用データから、乗車電車を推測し、各電車における利用状況を調査する。
都市空間の交通移動データは環境情報や人々の行動と深く関連しているため、本研究ではそのような特徴や知見をこれらのデータから探る。最終的には得られた知見を都市計画などに活かして生活の質の向上へつなげることを目標としている。
交通移動データ: 昔はパーソントリップ調査や道路交通センサスのような定期的かつ人力、あるいは紙ベースの アンケート調査のみであった。 現在は情報技術の発展に伴い、GPSによる移動軌跡、車載システムのログ、交通系ICカードの 乗降データなど、情報のデータ化が進んでいる。
これらの詳細なデータを解析することで都市における知見を探る。
人々の移動軌跡をセンシングし、そのデータを解析することは様々な応用可能性がある。ショッピングモールやイベント会場などの屋内 施設における人流把握は、来場者の購買傾向の分析や、施設内のレイアウトの改善に役立つ。また、災害時における人流把握は、避難経路を迅速に把握することで避難支援に役立つ。しかし、現在普及に適した人流把握手法がない。それを解決する手法として、クラウドセンシングによるBluetoothを用いた人流センシングシステムを開発している。
(さらに…)スマートフォンやInternet of Things (IoT) の普及により、インターネットのトラヒックは爆発的な増大を続けている。一方、中心市街地から郊外にかけた昼夜間の人の 移動、イベントによるホットスポット形成などによる通信トラヒックの時空間的な変動が顕著になっている。
このような変動より、従来の通信ネットワークでは、設備効率の悪化やサービス品質の低下という課題がある。
需要変動に追随し自律的に再構成するネットワークを検討している。
動物たちが「情報を共有」する
• 安全かつ効率的な環境・生態調査の実現のため,野生動物に負担の少ないウェアラブルデバイスを用いた動物間のデータ交換・共有の手法について研究
• 動物の習性に着目し,省電力の動物間通信機構を開発
• ヒトの行動認識手法の導入によりシステムの精度が向上
• 様々な分野に応用可能な,萌芽性に富んだ研究
詳細 [pdf: 845KB]
http://www.mcl.iis.u-tokyo.ac.jp/up/research/2015/001.pdf
ユーザが位置情報を利用することで,自身䛾位置に関連した情報を取得することができる位置情報サービスが展開されている.しかし,ユーザは自身の位置情報をサービスプロバイダに通知しなければならず,位置情報が漏洩することで住所や行動パターンなどの重要なプライバシが侵害される可能性が問題となる.ここでは,時変動する人口密度分布から得られる事前情報を,ユーザの位置を推測しようとする攻撃者の知識として利用することの有効性をシミュレーション実験を通して評価し,課題を定式化した上で,より頑強なプライバシ保護手法を構築することを目的とする.
詳細 [pdf: 3999KB]
http://www.mcl.iis.u-tokyo.ac.jp/up/research/2015/004.pdf
人々の行動を意図した方向へ変容させる行動変容技術に関する研究や社会実証は、様々な分野で行われている。特に実空間での人間関係を抽出することにより、人間関係を変容させる要素を分析することが可能となる。この抽出手法の開発と共に、抽出の分析結果を定量的に評価する分析基盤を開発・評価することで、行動変容の定量的評価を行うことを目的とする。
詳細 [pdf: 2607KB]
http://www.mcl.iis.u-tokyo.ac.jp/up/research/2015/005.pdf
本論は,モバイル端末が創出するパーソナルデータの利活用時に発生するプライバシー問題の背景理解と,問題予防を,社会調査を通して目指すものである.
半構造化インタビュー調査,および質問紙調査により,「プライバシーの侵害を理解し,抵抗感を抱くものの,モバイル端末の利便性から,プライバシー侵害を受け入れざるを得ない」という,「諦め」の感情を抱くユーザ属性を発見した.
サービス提供企業は,k-匿名化手法などのプライバシー保護技術をデータ利活用時に用いるだけでなく,そのサービスがユーザにとって重要度が高い場合,ユーザに対してサービス提供者が権力的優位に立つとを理解したうえで,データ利活用の施策を検討することが肝要であると示唆できる.
詳細 [pdf: 421KB]
http://www.mcl.iis.u-tokyo.ac.jp/up/research/2015/006.pdf
近年、カメラ機能、GPS受信機、加速度センサ、地磁気センサ等を搭載する高機能携帯電話が急速に普及しつつあり、環境情報(撮影時の位置情報、方向情報、天気等) 付きの写真を容易に撮影可能となった。本研究ではAndroidアプリを開発・使用することでリアルタイムに写真と環境情報を取得・保存する。中国歴史地区に対して実験を行い、取得したデータを利用してデータベース・ストリートビューを作成することで、都市の記憶を遺すと共に今後の対象地における都市計画への示唆を与えることを目的としている。
詳細 [pdf: 5563KB]
http://www.mcl.iis.u-tokyo.ac.jp/up/research/2015/007.pdf
センシング技術の発展により、種々多様なリアルタイムセンシングデータを取得できるようになってきている。このようなデータから、CRESTでは地震や津波などのデータを取得し、災害時に統合的なビッグデータ解析を⾏うことで減災に貢献することを⽬標としている。
これについて、本研究では災害情報をIoT(Internet of Things)デバイスを⽤いて取得・伝達する⼿法を提案する。この⼿法を応⽤することで迅速にリアルタイムデータを収集し解析に活⽤することが可能となる。特にこのポスターでは⽕災の検知とその情報の伝達⼿法について述べる。
詳細 [pdf: 2526KB]
http://www.mcl.iis.u-tokyo.ac.jp/up/research/2015/003.pdf
目的: 日常生活の中で自然を感じることのできるアプリの設計・開発
特徴 ①: 人工音は季節変化しないが、自然音(昆虫の鳴音)は季節変化する
特徴 ②: 日本人にとって、自然音(昆虫の鳴音)は騒音ではない
特徴 ③: 現行の評価方法で環境騒音とみなされている昆虫音を有効活用
詳細 [pdf: 672KB]
http://www.mcl.iis.u-tokyo.ac.jp/up/research/2015/002.pdf
本研究は「手がかり情報のやり取りでつながり感を醸成するアニマルコンピュータインタラクション」の実現を目的とする。従来のアニマルコンピュータインタラクションでは,ユーザーが実際の自然環境で感じる茂みのざわめきや動物の気配といった“手がかり情報”のやり取りが困難であった。そこで本研究では,A)実際に生息する野生動物の生態・手がかり情報をリアルタイムに取得するシステムB)ユーザーと野生動物の間の手がかり情報のリアルタイムなやり取りから,つながり感を醸成するインタフェース,C)醸成されたつながり感によるアニマルコンピュータインタラクションの有効性,を明らかにして目的を達成する。
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究(A) 小林博樹
(さらに…)従来の野生動物調査用の装着型環境センサノードは,生息地特有の電源・情報インフラの制限やセンサ搭載可能重量の限界から,ノード間通信を長期的に行うことが困難であり,調査可能なエリアが極めて限られていた. 本研究開発では,調査対象である野生動物群の生態相互作用に着目し,省電力なセンサ・ネットワーク機能を実現し,さらに鳴き声センシングまで踏み込んだ機構の実現を目的とする. 具体的には,複数個体間の生態行動学的に意味ある相互作用を「検知」した場合にのみノード間通信をアクティブにし,それ以外の時は常にスリープ状態とするシステムを設計・開発する. 本提案により「野生動物自身が鳴き声センサを持ち歩き,単独行動時に取得したデータを,集団行動時に省電力で共有・回収するシステム」を実現する.
Hill Hiroki Kobayashi, 2014. Research in Human-Computer-Biosphere Interaction, LEONARDO / Journal of the International Society for the Arts, Sciences and Technology (MIT Press).
(さらに…)