2023 – 2025年度
概要:
産後うつ病(Postpartum depression: PPD)は、産後女性の約15%が発症するうつ病の一つ である。PPDの治療は早期発見が重要であるが、その症状を早期に自身で判断することは困 難である。既存研究ではモバイルセンシングを用いたうつ症状の自動検知が行われている。 しかし、それらの研究では大学生等の産後女性とは異なる属性・生活環境の人々を対象とし ており、PPDが検知できるかは不明である。特にPPDでは、産後女性だけでなくパートナー の行動パターンもPPDの要因になる可能性が指摘されている。本研究ではPassive Mobile Sensing(PMS)を用いたPPDの自動検知システムの構築を目的とする。実験参加者とその家 族の活動データを収集し、活動データとPPDとの関係を分析する。さらに機械学習を用いる ことで、PPDを自動検知できるかを明らかにする。本研究成果は、情報通信技術を用いたエ ビデンスベースでの育児支援とその効率化への発展が期待できる。
研究代表者:
西山 勇毅 東京大学, 空間情報科学研究センター, 講師 (80816687)
配分機関
日本学術振興会|科学研究費助成事業
【科研費|若手研究】Passive Mobile Sensingを用いた産後うつ症状検知基盤の開発