野生動物を用いた空間情報センシングに関する研究

近年、コンピューターや無線通信デバイスの小型化、軽量化が進み、ウェアラブルコンピューティングの実用性が高まってきた。次世代インターネット(Internet of Things)では人や物や木の葉っぱ一枚からネットワーク接続されると考えられている。これまではこのような動植物をインターネットに接続する構想は実現不可能な冗談構想だとされていた(例:RFC 1149“鳥類キャリアによるIP データグラムの伝送規格”等)。本研究では野生動物装着型センサノードによる高度な空間情報センシング機構の実現を目的としている。従来の野生動物装着型センサはその厳しい重さ制限から高度化が困難とされていた。そこで、動物の集団行動や帰巣本能を利用した「動物間ネットワークシステム」や「動物用ワイヤレス給電システム」で解決を試みる。この場合重要なことは、単なるセンサの小型化や高度化ではなく、情報技術の短所を動物行動の長所で補うことで、過酷な生息地環境に最適化された空間情報センシング機構を実現することである。

野生動物を用いた空間情報センシングに関する研究